Movie

ラブソングができるまで

80年代アイドルスターだった男が、作詞の才能を秘めた彼女と出会い曲作りするうちに愛が芽生えるという、ベタなストーリーだけど軽妙なタッチのコメディーで結構楽しめます。懐かしいニューロマンティックが目の前に蘇ってあの時代の音楽で育った私としては大いに盛り上がりました(実は60年代も70年代もだけど)。ヒュー・グラントは46才とは思えない若々しさでデュラン・デュランみたいなグループで"Take On Me"っぽい曲を歌って踊って…(笑)先日の「スマスマ」で「歌も結構イケますね」と言う質問に「コンピューターが上手く処理してくれるから」って言ってたけど、彼はなかなかやります。頼りなくて情けなくてチョッと可笑しい、まさにはまり役のヒュー・グラント、「モーリス」ではダーラム卿だったのにいつの間にこんなキャラになちゃったんでしょうね。(ワーナーマイカル大井2007/4/25)
ドリーム・ガールズ

1960年代のショー・ビジネス界を舞台に、黒人3人組のコーラス・ガールの成功と挫折を描いたこの作品はブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。当時車の町だったデトロイトでモータウン・サウンドが生まれ、シュプリームスがいつの間にかダイアナ・ロスとシュプリームスになり、やがてこの町が不況のあおりでゴーストタウンのようになってしまったのですが、この事実を映画はすべてパロディーで再現しています。ダイアナ・ロスそっくりなビヨンセ、JBらしき役のエディー・マーフィー、どこから見てもジャクソン5?みたいな…ビヨンセの美しさにうっとりですが、アカデミー賞助演女優賞にノミネートのジェニファー・ハドソンの歌唱力はスゴイです。(ワーナーマイカル大井2007/2/21)
マリー・アントワネット

オーストリアのハプスブルグ家から政略結婚によりルイ16世の妻となり、フランス革命でギロチンに架けられたマリー・アントワネットの生涯をソフィア・コッポラ監督がフェミニンな感覚で描いた作品です。フランス政府が全面的にバックアップして、実際にベルサイユ宮殿で撮影されました。カンヌ映画祭ではブーイングの嵐だったそうですが、私はゴージャスな王宮絵巻に酔いしれて、贅の限りを尽くしたロココ調の調度品や衣装、料理やお菓子など眺めてうっとりしました。特に別荘プチ・トリアノン宮殿のシーンは溜息がが出るほど綺麗です。確かにスペクタクルも戦闘シーンも、意外なストーリー展開もないので殿方には物足りないかも知れませんが、私は血しぶきが飛び散ったり、死体が転がったりしない映画が好きです。(ワーナーマイカル大井2007/1/24)
シャーロットのおくりもの

ある夜農場で11匹の仔豚が生まれましたが、母豚には乳が10コしかありません。危うく殺される運命だった小さな仔豚の命を救ったのはこの農場の娘ファーンです。彼女は仔豚にミルクを与え、わが子のように可愛がり仔豚はすくすく成長してゆきますが、クリスマスにはハムやソーセージにされるというのです。普通の農場で起きた仔豚とクモの友情と奇跡の物語です。子供向けと思ってうっかり見に行ったら仔豚のあまりの愛らしさにウルウル来ちゃいました。「ベイブ」で泣けた私ですから、「とんかつは当分食べられないな」と映画館を出たのに、帰りにベーコンを買ってしまいました。動物達の自然な演技に感心していたら、エンドロールにビジュアルなんとかやアニメーターの名が夥しい数で流れました。公式サイトも楽しいですよ、こちらからどうぞ(ワーナーマイカル大井2007/1/10)
プラダを着た悪魔

オシャレに感心のある方、ブランド大好きな方には是非お薦めですが、庶民派の私も充分楽しめました。
大学を卒業してNYにやってきたアンディーはファッション誌のカリスマ編集長ミランダのアシスタントの職に就く。女性なら誰もが憧れるこの仕事も、ジャーナリストを目指すアンディーには辛い事ばかり、その上ミランダの人使いの荒い事といったら…ダサーいファッションの小娘が段々オシャレな女性に変身して行くストーリーは、現代版「マイ・フェア・レディー」といった感じですが、男性の好みの女性に変身するのではなく、自立した女性に成長して、憧れのジャーナリストへの第一歩を踏み出すという結末が現代風。主演のアン・ハサウェイが何ともチャーミングで魅力的、もう一人の主役ミランダ役のメリル・ストリープは年を重ねても益々美しく、その存在感は他を圧倒しています。公式サイトへはこちらからどうぞ。(日比谷スカラ座2006/11/24)
トランスアメリカ

父と息子がNYからLAへ旅するロードムービーです。ところがこの父親は性転換手術を来週に控えどこから見ても立派な母親なのです。そんな父親は素性を隠し、息子は父親を探す旅はアメリカを横断して、男女を超越して、せつなくて、苦しくて、でもちょっと可笑しくて…主演のフェリシテ・ハフマンはこの役でゴールデングローブ賞を獲得しました。オカマっぽい女優というのもうれしくありませんが、自分を父親と名乗れない苦しい胸の内を見事に演じています。息子役のケヴィン・セガースは繊細なティーンの役を好演していて、「マイ・プライベート・アイダホ」のリバー・フェニックスを思い出しました。性同一性障害、家族や人間愛について結構シリアスなテーマを重くならず、軽快なテンポで楽しめる秀作です。皆が幸せになって欲しいと優しい気持ちになりました。こちらから公式サイトに入れます。(シネスィッチ銀座2006/8/4)
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊達」の続編です。スタッフもキャストも前作と同じですが、今回新加入のジプシー役のナオミ・ハリスがとっても魅力的でした。この映画を観る時は、お金ばかりかかって内容が無いとか、難しい講釈は止めにしてエンターテイメントとして楽しむ事です。何と言ってもディズニーランドの人気アトラクションなんですから…画面のあちこちに「あっ、これってカリブの海賊だ!」って場面が散りばめられています。飲んだくれの海賊ジャック・スパロウ役のジョニー・デップはキース・リチャーズを参考に役作りをしたそうです、なるほどね。エンドロールは終わりまでちゃんと見て下さい、最後にちょっとした落ちが用意されています。こちらから公式サイトに行かれます。(ワーナーマイカル・シネマ2006/8/2)
ブロークバック・マウンテン

1960年代2人のカウボーイはブロークバックマウンテンで羊の放牧の仕事につきます。究極のアウトドア生活を送るうちに見知らぬ同士が身も心も通わせ合い深い絆で結びつきますが、仕事の終わりと共に別れが訪れます。やがて2人はそれぞれ結婚して幸せな家庭生活を送っていましたが、一通の手紙から再会します。ワイオミングの大自然をバックに男同士の愛を描いた壮大なドラマです。エンドロールに流れるウィリー・ネルソンの"He Was A Friend Of Mine"でドッと涙が…切なさと虚しさで胸がいっぱいになりました。ゴールデングローブ賞はじめ各国の賞を総なめにしましたが、やはりアカデミーは保守的でした。(シネ・リーブル2006/3/29)
ナルニア国物語:第一章ライオンと魔女

1950年にC.S.ルイスによって書かれた全7巻の第一作目です。ロンドンから学童疎開でやってきた大学教授の古い屋敷で4人の兄妹は不思議な体験をします。ある日末っ子のルーシーがかくれんぼで迷い込んだ空き部屋に古い大きな衣装ダンスがありました。扉を開けて中に隠れると、そこはナルニア国への入り口だったのです。「ロード・オブ・ザ・リング」、「ハリー・ポッター」同様ファンタジー・シリーズの映画化なのでどうしても比較してしまいます。ロケ地もスタッフも「ロード・オブ・ザ・リング」と同じニュージーランドだそうです。この物語の重要な登場人物(?)ナルニアの王アスランは偉大で崇高なカリスマですが、どこまでがぬいぐるみでどこまでがCGなのか全く分からない位自然で見事な出来栄えで、これを見るだけでもこの映画を観る価値は充分だと思ってしまいました。流氷に乗って溶けた氷河を渡るシーンは、何年か後にディズニーランドのアトラクションに登場することでしょう。こちらから公式サイトに行けます。
博士の愛した数式

小川洋子のベストセラー小説の映画化です。原作では家政婦が主人公でしたが、映画は吉岡秀隆演じる家政婦の息子ルートが成長して数学教師となり、博士の思い出を振り返る設定になっています。人間愛のドラマですが俗世間のドロドロしたものを一切排除した、ジンワリと心が温かくなる優しい映画です。吉岡扮する新任教師が素数、友愛数、オイラーの法則など、黒板を使って説明してくれるので、原作よりも遥かに分かりやすく、もう一度数学を勉強してもいいかなと思ってしまうほどです。小泉尭史監督の映画に欠かせない博士役の寺尾聡は私が想像している博士より遥かに闊達で元気です。泣きのツボは人によってそれぞれですが、私はスッポリはまってしまって、最初から最後まで泣きっ放しで、(隣の席の人は全然泣いてなかった)デトックス効果満点でした。(ワーナー・マイカル・シネマ2006/1/25)
プライドと偏見

18世紀末イギリスの片田舎に住むベネット家には5人の年頃の娘が居りました。女性に相続権が無い為母親は娘達を資産家に嫁がせるため躍起になっています。そんなある日この村に大金持ちの独身男性が引っ越してくる事になったのです。原作はジェーン・オースティン、何度か映像化されていますが、現代版に置き換えられたのが「ブリジット・ジョーンズの日記」だそうです。戦いも爆発も殺人や流血など派手な仕掛けは何もありませんが、丁寧な造りで美しい映像、衣装、ロケーションの建物や音楽など遥か彼方の緩やかな時代に思いをはせることができます。キャストも其々魅力的ですが、父親役のドナルド・サザーランドがとってもいいです。こちらから公式サイトに入れます。(ワーナー・マイカル・シネマ2006/1/18)
チャーリーとチョコレート工場

ティム・バートン監督とジョニー・デップが「シザー・ハンズ」「スリーピー・ホロウ」以来タッグを組んだ新作はやはりメルヘンでした。ある町の立派なチョコレート工場では、世界中からラッキーな5人の子供を工場見学に招待することになりました。チャーリー少年は貧しい暮らしでしたが、チョコレート工場見学のカードを引き当てました。家族の大切さをテーマにファンタジーの世界が繰り広げられますが、ちょっとブラックなテイストもプラスしてティム・バートン・ワールド全開です。「十戒」の奴隷船を思わせる、ドラゴン船でチョコレートの川を下るシーンはまるでテーマ・パークのアトラクションのようですが、これはワーナー映画なので残念ながらディズニーランドにもUSJにも登場しないでしょう。こちらから公式サイトに入れます。(ワーナー・マイカル・シネマ2005/9/14)

ラベンダーの咲く庭で

1930年代のイギリス、海辺の港町で静かな生活を送っている初老の姉妹。ある嵐の翌日、浜辺に打ち上げられた若者を2人は自宅に運んで介抱することに…やがて元気になったこの若者はポーランド人で、ヴァイオリンを演奏することが判明します。突然舞い込んだ若者に翻弄されながら一喜一憂する姉妹の前に、ある日素晴らしいヴァイオリンの音色に誘われて美しい若い女性が現れるのです。コーンウォール地方の美しい風景と音楽、戦争の陰以外邪悪なものが一切登場しないこの映画は一服の清涼剤のように清々しい気分にさせられます。淡い恋心を抱く妹に、ヨン様に熱を上げているオバちゃまと同じだなぁ、と思ったりしましたが、若者は引いちゃうかも…女は灰になるまで女なのです、おおコワ!(bunnkamuraル・シネマ2005/7/22)

オペラ座の怪人

アンドリュー・ロイド・ウェーバー作ミュージカルの映画化です。年老いた子爵が回想する設定で物語りは始まりますが、これは悲しい恋いのお話です。19世紀パリのオペラ座では怪事件が続発しています、どうやらここに住み着くファントムの仕業らしいのです。主役の歌姫エミリー・ロッサム、恋人の子爵パトリック・ウィルソン、ファントム役のジェラルド・バトラーは吹き替えなしだそうですが素晴らしい歌唱力です。台詞はすべて歌詞で歌われます、ミュージカルですから…墓地のシーンのゴシック感、仮面舞踏会の衣装、オペラの舞台装置など見どころ満載ですが、何と言ってもスワロフスキーのシャンデリアが天井から落ちるシーンは圧巻です。舞台を観てから映画を観るか、映画を観てから舞台を観るか、いずれにしても両方を対比すると面白さは倍増するはずです。詳細はこちらから。(ワーナー・マイカル・シネマ2005/2/2)

ネバーランド

1900年初頭、劇作家ジェームス・バリが少年ピーターと出会い「ピーターパン」を書き上げるまでの物語です。ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマンなど豪華な顔ぶれですが、全員子役に完全に食われちゃってます。バリ役のジョニー・デップはアカデミー賞の呼び声も高いようですが、押さえた演技で面白くありません。飲んだくれの海賊や、小心者が突然殺人鬼に豹変しちゃったりとか、完全にイッちゃってる感じの役の方が私は好き。母親役のケイト・ウィンスレットも余りにも健康的な美しさで、どうしても余命幾ばくもない重病患者には見えないですから…この映画の見どころは何と言っても映像の美しさです。劇場、公園、並木道など、セピア色の画面にうっとりしてしましますが、お気に入りは山荘のガーデニングでした。テレビもゲームも無い時代、子供がまだ心の中で空想する事の素晴らしさを知っていた頃のお話です。こちらで予告編が見られます。(ワーナー・マイカル・シネマ/2005/1/18)

ポーラー・エクスプレス

トム・ハンクスとロバート・ゼメキスがタッグを組んで、原作絵本のタッチをそのまま映像にしたフルCGの作品です。クリスマス・イブの夜、サンタの存在に疑いを持ち始めた少年の家の前に突然停車した機関車「北極号」に乗って旅をします。ハラハラドキドキまるでテーマパークのアトラクションのようにスリル満点ですが、アニメーションとは一味違ったメルヘンの世界に子供は勿論、大人も充分に楽しめます。トム・ハンクスが車掌からサンタまで4役の声を演じていますが、吹き替え版だったので唐沢寿明でした。さらに吹き替え版は映像の中でも各所に日本語が表示されていて「わかりやすーい!」。「サンタクロースは本当にいるの?」って、子供だったら誰でも一度はパパやママに投げかける質問ですが、「いるんですよ、北極に…」これは信じることをテーマにした、ステキなファンタジーです。こちらで予告編が見られます。(ワーナー・マイカル・シネマ/2004/12/15)

シークレット・ウィンドウ

原作はスティーブン・キング、主演はジョニー・デップ、オーソドックスなスタイルのミステリーです。湖畔の山小屋風別荘で執筆活動をする人気作家の前に突然現れた謎の男、盗作を認めて結末を書き換えろと迫ります。やがて始まる恐怖の出来事…これから見ようと思っている人のためにここまでにしておきましょう。大好きなジョニー・デップは前作では飲んだくれの海賊でしたが、この作品では本領発揮と言った感じでとても魅力的です。また謎の男に扮するジョン・タトゥーロが無表情でジワジワとコワーイ、この映画の見どころはキャストでしょうか。ミステリー通の方々は良くある手口と思われるでしょうが、私は結構楽しめましたよ。(ワーナー・マイカル・シネマ/2004/10/27)

カレンダー・ガールズ

1999年に発売され30万部ものセールスを記録した「婦人会ヌード・カレンダー」、英国ヨークシャーの片田舎で起こった実話です。癌で夫を亡くした友人を励まそうと始めたご婦人達の募金活動が、いつの間にやら自分たちをモデルにヌード・カレンダーを作る羽目に…何かと保守的なお国柄を反映して、ご婦人方の暴走に拍手です。物語は単純ですがイングランドの美しい風景に癒されます。「フルモンティー」の男性ストリップと同じ爽快感があります。ハリウッド映画の様な派手さもないし、フランス映画ほど小難しくなくて、ユーモアとウィットとほんのちょっとの皮肉を混じえた英国映画が大好きです。(シャンテ・シネ/2004/6/10)

ビッグ・フィッシュ

ティム・バートン監督の「シザー・ハンズ」以来の快心作です。この映画を観るのに「どうして?」とか「あり得ない」は禁物。何の変哲も無い日常を面白可笑しく子供に語って聞かせた父と、そんな父に反発してきた息子の心温まるメルヘンです。大好きなシーンがそこここに散りばめられていて、特にお気に入りはダニー・デビート演じるサーカスの団長がオオカミ男に変身するシーンです。父役のアルバート・フィニー、若い時をユアン・マクレガーが演じています。「えー?似てねー!」とお思いでしょうが、私は知っています。アルバート・フィニー40年前「トム・ジョーンズの華麗な冒険」では、それはそれは華麗でした。「トレインスポッティング」でトイレの中を泳いで一躍ブレイクしたユアン・マクレガーの40年後が心配です。(でも見届けることはできないと思うから大きなお世話かも)この映画は映像もさることながら、音楽も魅力たっぷりです。懐かしのオールマン・ブラザース・バンドやキャンド・ヒート、特にエンドロールに流れるパール・ジャム「時間のたびびと」は涙ものです。(ワーナー・マイカル・シネマ/2004/5/26)

ポロック 〜2人だけのアトリエ〜

モダンアートの先駆者ジャクソン・ポロックの破滅的生涯を描いた作品。初監督で主演はエド・ハリス。
グリニッジ・ビレッジで貧困と酒浸りの生活を送っていたポロックは女流画家のリーと出会い、愛と成功を手に入れながらも…芸術が爆発するには狂気と破滅が付き物らしい。2人がニューヨークを放れロングアイランドに移り住んだ家は朽ち果てた廃屋だったけど、成功と共にレトロなインテリアがとってもいい感じだった。エンドロールと共に流れるトム・ウェイツのだみ声のタイトルソングが酒浸りのポロックのイメージにピッタリでした。芸術家を支える健気な妻に涙する作品かと思いきや全く違った…けどテイスト的には結構好み。我々凡人には計り知れない緊張感満載の人生ってのも有るんだなぁ〜と思いました。リー役のマーシャ・ゲイ・ハーディングはアカデミー助演女優賞に輝きました。(シャンテ・シネ/2003/11/19)















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